日本人がドバイ不動産を買うとき、実際に何が起きるのか — 手続きと言語の現実
「日本人でも買えるのか」とよく聞かれます。制度上は買えます。 本当の壁は制度ではなく、言語と距離です。実際に何が起きるのかを順に書きます。
(ショールームの都市模型/2026年・現地撮影)
壁は「制度」ではなく「言語と距離」
ドバイにはフリーホールド区域が定められ、外国人が自己名義で所有権を取得できます。国籍を理由に日本人だけが排除される仕組みはありません。 難しく感じるのは、契約書が英文で、相手が現地にいて、判断材料が英語でしか流通していないからです。課題は制度の突破ではなく、情報と意思疎通の設計です。
日本語が使えない場面と、その埋め方
| 場面 | 言語の現実 | 埋め方 |
|---|---|---|
| 売買契約書・付属条件 | 英文が正本。日本語版があっても参考訳 | 条項ごとに日本語で意味を確認できる体制を挟む |
| 現地ブローカーとの交渉 | 英語。時差は5時間 | 日本語側の窓口を一本化し、往復回数を減らす |
| 銀行口座・送金手続き | 英語書類と本人確認 | 必要書類を日本語のリストにして揃える |
| 引き渡し・登記 | DLDの手続きは英語/アラビア語 | 代理での進め方と必要書類を事前に確認 |
なお売買にはDLDへの登録手続きが伴い、登録料は4%です。後から出る費用ではなく、最初から資金計画に入れる費目です。送金の実務は送金と為替の記事へ。
「誰と組むか」で結果の大半が決まる
最大の変数は、物件よりもパートナーです。次の3点で見てください。
- RERA登録の確認 — 仲介には登録制度があります。番号を聞いて確認できるか
- 比較を歓迎するか — 比較を嫌がる相手は、比較に耐えない提案を持っています
- 出口の話をするか — 売るときの手順とコストを、聞く前に説明するか
注意: 日本語が通じることと、内容が正しいことは別です。日本語で丁寧に説明されるほど確認は甘くなります。判断は「話しやすさ」ではなく、確認できた事実の量で。
日本側で先に済ませておくこと
- 資金の証明 — 資金の出所を説明できる書類を、早い段階で用意しておく
- 送金ルートの確保 — 金融機関ごとに海外送金の可否と手続きが異なります。非正規ルートの提案には乗らないこと
- 日本側の税務論点の整理 — 保有中・売却時・相続時それぞれに論点があります。個別の判断は税理士へ
よくある誤解の整理
- 「日本人だから買えない」→ 誤り。フリーホールド区域で外国人名義の所有が認められています
- 「日本語だけで完結する」→ こちらも誤り。正本は英文で、確認する責任は買う側に残ります
- 「現地に行かずに完結できるから安心」→ 手続き上は可能でも、実物を見ずに決めるリスクは別問題です
よくある質問
Q. ビザがないと買えませんか? 購入自体は居住ビザの有無とは別の話です。一定額以上の購入がビザ申請の要件になる制度もありますが、条件は変わり得るため申請時点の一次情報で確認を。
Q. 英語が話せません。無理でしょうか? 無理ではありません。ただし「英語が要らない」のではなく「英語の内容を日本語で確認できる人を挟む」が正解です。訳す人と売る人が同一だと、確認機能が働きません。
Q. 現地に行かずに買う人もいますか? います。ただ一度は現地確認を。写真と図面で分からないのは、周辺の動線・工事の進捗・管理の実態です。
障壁は、超えられない制度ではなく、埋められる情報の差です。 確認の手順は7つの危険信号に、実物での確かめ方は視察プログラムにまとめています。
※本記事は一般的な情報提供です。制度は変更され得ます。契約・税務・ビザの個別のご相談は資格を有する専門家をご紹介します。
出典・参考
- ・https://u.ae/en/information-and-services/moving-to-the-uae/expatriates-buying-a-property-in-the-uae(UAE公式ポータル 外国人の不動産購入(フリーホールド制度))
- ・https://dubailand.gov.ae/en/(ドバイ土地局(DLD)公式サイト(登録制度))
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